経営コンサルタントの長野研一です。
2025年も残すところあと僅かとなりました。皆様はどのような年末をお過ごしでしょうか。
例年、年末には一年の振り返りと次期の計画を立てますが、今年は少し特別な手法を取り入れました。それは、「生成AI」を思考の伴走者とし、私の「心の動き」を徹底的に同期させるというプロセスです。
「ファクトベースで導き出した正しい計画」が「ワクワクする物語」へと変わった軌跡を、シェアしたいと思います。
1. 嶋田利広先生の「チェーンプロンプト」で磨き上げた戦略の骨格
今回、計画の骨格を担ってくれたのは、嶋田利広先生が提唱される「チェーンプロンプト(連鎖的な指示出し)」という手法です。
AIに対して、前期の売上や組織体制、成功体験、そして直面した課題といった「ファクト(事実)」を段階的に読み込ませ、対話を重ねました。すると、私の「不動産鑑定士」と「中小企業診断士」というダブルライセンスの強みや、市場のニーズが鮮やかに構造化されていきました。
このプロセスで出来上がったのは、「これなら間違いなく成果が出る」と確信できる、ロジカルで納得感のある行動計画です。専門家としての目から見ても、非の打ち所がない「正解」がそこにありました。
2. 「内省」というスパイスが、計画に命を吹き込んだ
しかし、私はそこでもう一捻り、自分自身に問いを立てました。遠藤晃先生のメルマガにある「内省的な振り返り」を、この完璧な計画に掛け合わせてみたのです。
「自分は何に心を動かされるのか。どんな時にエネルギーが湧き、逆にどんな時に萎えるのか。自分の“自然な推進力”はどこから生まれるのか」
この内省から得た「本音」をスパイスとしてAIに投じると、「正解」が、一層私自身の情熱と共鳴し始めました。
「税務関連の不動産鑑定の受注増」という項目は、「税理士というパートナーと共に、お客様の資産を守る『正義の味方』として立ち振る舞う」という表現へ(私は不動産鑑定士でもあるのです)。
「経営改善計画」というタスクは、「経営者の情熱に火をつけ、共に未来を切り拓く『戦友』としての活動」へ。
ロジックが「骨組み」なら、内省は「血肉」です。このひと捻りを加えたことで、計画は「遂行すべき義務」から、「ぜひともこの行動で、こんな未来を手に入れたい!」と心から願う、ワクワクするプロジェクトへと進化したのです。
3. 「頑張る」を卒業し、「自然な推進力」で動く
内省の結果、自分のエネルギーが「萎える瞬間(例:義務感だけで引き受ける低採算案件など)」も明確になりました。それらをAIと共に「どう手放し、誰に託すべきか」まで踏み込んで整理できたことで、計画から「無理な力み」が消えました。
AIが導き出した論理的な「正解」に、自分だけの「情熱」を同期させる。 このプロセスを経て、私の中に“自然な推進力”が生まれました。
「頑張って実行する」のではなく、気づけば「体が動いてしまう」。 そんな経営計画の作り方を、AIと内省の融合が教えてくれました。
おわりに:デスクに置かれた「未来の地図」
今、私のデスクの特等席には、このプロセスを経て完成した「行動計画表」が置かれています。(※写真はイメージですが、この密度で2026年を設計しました)

迷ったとき、立ち止まったとき、ここにある「ワクワクする問い」が、私をまた前へ進めてくれるはずです。
この記事を読んだ方へのメッセージ
経営計画に自分の心を合わせるのではなく、自分の心が動く方向に計画を引き寄せる。 もし「計画を立てても実行が苦しい」と感じているなら、一度ご自身の「心が震えた瞬間」を内省し、それを計画に組み込んでみてください。
実際、このAIを使った内省のやり方に興味がある方がいれば、ぜひお声がけください。私の体験が、皆様の新しい一歩のヒントになれば幸いです。
2026年、私はこの「自然な推進力」をもって、お客様に新しい価値を届けてまいります。 皆様、どうぞ良いお年をお迎えください!