■「人生設計の実行のための自問自答」ノートが教えてくれたこと
中小建設業専門の経営コンサルタント長野研一です。
2022年3月。私は1冊のノートを書き始めました。
題して、「人生設計の実行のための自問自答」ノート。
何の変哲もないB5ノートです。けれどこのノートが、私の仕事の進め方も、習慣との向き合い方も、大きく変えていくことになりました。
■30年続けたTODOリストでは、埋まらなかった空白
私は30年以上、毎日TODOリストを書いてきました。
けれどふと気づいたんです。
年間目標はあっても、それを実現するための週単位・月単位の計画がうまく立てられない。
振り返りが習慣になっていない。
そして何より、誰にも求められない“重要だが緊急でないこと”が日々の行動に落ちていない。
自分の意思が弱いのか?いや、そうではないだろう。若いころ読んだ『自己洗脳法』という本の冒頭に「もっとも自律的な人とは、自己の他律性を最大限に活用した人である」と書いてあったのを思い出しました。
そうだ、これは「やり方」の問題だろう。
そう考えて、ノートに向き合うことにしたのです。
■6階層で「未来から今週を設計する」
私は見開き2ページの左側を「計画」、右側を「振り返り」として使いました。
左ページには、自作のA5フォームを貼り、6つの問いを毎週自分に投げかけました。
数年後のために今週すること
一年後のために今週すること
3ヶ月後のために今週すること
今月のために今週すること
今週のために今週すること
今日のために今週すること
書き出してみると、上の3つ――1から3にあたる「重要不急なこと」が、まったく書けない自分がいました。でも、空白のままではそれが気になります。「ここに何かひとつでも書けないだろうか」と毎週問いかけることが、少しずつ未来志向の行動を生み出していったのです。
■右ページの振り返りで“行動の質”が上がる
右ページは「振り返り専用」。
毎週末に、次の3項目を埋めていきました。
今週の振り返り(複数の項目を立てて〇△×評価+理由)
今週の成果(具体的なアウトプット)
今週のチャレンジアイデア(次につながる発想)
これを地道に続けてきた今、ノートはもう5冊目に入りました。
■重要不急な行動が、ノートに“赤線”で刻まれていく
このノートの習慣を3年近く続けてきたことで、
かつては書くことすら難しかった1~3の項目に、いまでは毎週、何かしらの具体的行動が入るようになりました。
しかもそれらの多くに、赤線(=完了の証)が引かれている。
これは、意思ではなく、構造による成果だと断言できます。
■習慣化には、“内側を見る時間”と“設計する時間”が必要だった
私はいま、「やりたいのに続けられない」と悩む方に向けて、月1回90分の個別Zoomセッションを行っています。
このセッションは、なにか新しいことを“教える”場ではありません。
むしろ、ご本人の中にある「続けられない理由」や「自分なりの継続パターン」に、静かに光を当てていく時間です。
たとえば、こんな問いかけから始まります。
「これまでに続けようとして、うまくいかなかったことはありますか?」
「それが途切れたのは、どんなときでしたか?」
「続いたことと、続かなかったこと。その違いって何だったと思いますか?」
何気ない問いに対して、ご自身の言葉で振り返ってもらうことで、
「完璧にやろうとするあまり、逆に動けなくなっていた」
「忙しさを言い訳にしていたけれど、本当は目的が曖昧だった」
といった、深い気づきが生まれます。
そこから一緒に、“今の自分に合った”行動のデザインをしていきます。
がんばらなくていい。毎日じゃなくていい。
「1週間に1回、10分だけ取り組めたらOK」くらいから始めていく。
そんな小さな設計を、見える化してみるだけで、
意外なほど“行動しやすく”なるものなのです。
■「もっと大切なことがある」と気づいたあなたへ
このプロセスの中で、
「もっと大切なことがある」と気づかれた方もいらっしゃるでしょう。
自分にとって、本当に価値のあることは何か?
自分はどんなミッションを帯びて生まれてきたのか?
そのために、何をすべきなのか?
こうした問いは、まさに人生の核心に触れるものです。
けれど、私自身の体験からも、そこにいきなり飛び込むのは、
たとえ最重要であったとしても、少し難しいと感じています。
なぜなら、物事には順序があるからです。
理想や志が高い人ほど、つい「本質」や「答え」にまっすぐ向かおうとします。
でも実際には、それは習慣化の先に、少しずつ輪郭が見えてくるものなのではないでしょうか。
気負いすぎず、「見えてきたら嬉しいな」くらいの気持ちで向き合うほうが、
結局は長続きするし、結果として早道だった――
そんな実感を、私はこの数年のノート習慣のなかで持つようになりました。
そしていま、私のセッションでは、そうした「習慣化の先にある本質」に少しずつ気づいていけるよう、時間をかけて対話を重ねていきます。
目先の行動を支えるだけでなく、その人がほんとうに大切にしたい価値や、人生のミッションのようなものが、自然に浮かび上がってくる。
そんな“土台ごと育てるような時間”になることを、私は大切にしています。
■おわりに ― 習慣をつくるのは、意志じゃない。構造だ。
「続かないのは、自分がだらしないからではない。構造がないからだ。」
この気づきが、私を行動KPIという考え方に導いてくれました。
そして私はいま、同じように「自分を変えたいけど変えられない」誰かの支えになりたいと思っています。
習慣は、意志でつくるのではなく、設計と伴走で育てていくもの。
その第一歩を踏み出す時間を、自分にプレゼントしてみませんか。
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